■某vtuber企業が無許可で一部のゲーム配信を行っていた件で考えたこと

■某vtuber企業が無許可で一部のゲーム配信を行っていた件

 Vtuberの配信を法人として行っている企業が、ゲーム実況に際して、それらのコンテンツを一部無許諾で配信していた という話

 

詳しくはニコニコ大百科をチェック

 

 上の話に限らず、この手の「何が正しいのか決めようぜ/ただし絶対に俺が勝つから選手権」案件が最近クソほど多いのでどう思うのかを整理したかった、というのが発端。叩きたいとか燃やしたいとかではないので注意。

 あくまで例としてその話で進めますよというだけ。

 

 以下に分けて書く(別にトピックと照らしてはいない(面倒くさいから

  • ゲーム配信について
  • 問題についてどう思うのか
  • なぜそう思うのか
  • それは正当な理由なのか
  • なんでみんな騒ぐのか

 

■どう思うか

▽まず

 自己紹介おじさんになってしまうが、僕はゲームを作ってご飯を食べさせてもらっている。

 そういった立場の一人としては、ぶっちゃけゲーム配信をしていただくのは非常にありがたいことである。

 

 自分が作ったゲームに関して、生のリアクションを見れるというのは非常にうれしいものだし、また貴重な資料になるからだ。経験則だが、自分だけで作ったゲームというのは99999%独りよがりなものになって面白くならない。
 自分はこう思って作っていたけど、ユーザーはこう受け取るのねを知るたびに、良いものが作れるようになると僕は思っている。
 なので、そういった機会を無料で垂れ流し続けてくれているゲーム実況者には感謝しかない。

 

 まあ、会社としては「ネタがばれて売れ行きが落ちるからやめチクり」などあるのかもしれないが、結局良いものを作ったらみんな買ってくれるのだから、良いものを作れるようになった方がよくね?と思うのである。

 

 あとはvtuberはかわいいのでいい。かわいいものは無条件にいい。一日中ゲーム作って帰ってくると廃人のようになっているので、癒しに対して盲目になる。

 個人的には姫森ルーナというvtuberを推したい。んなぁ~~~~。

 

詳しくはyoutubeをチェック

 


▽そのうえで

 権利規約をないがしろにしているのはよくない。結んでいなかったとして、それをなあなあで終わらせてしまうのもよくない。
 そして、その際悪いのは企業であり、配信者は別に悪くない と”個人的に”は思う

 

▽なぜか

 結局は気持ちがよくないからである。事前対応も事後対応も。

 金を払ってほしいからとかではない。給料は増えてほしい。


 ゲームをはじめとしたコンテンツは人生を豊かにするため、楽しむためにあるものだし、それはゲーム実況でも同じだと思う。
 で、そういったものを楽しく味わうためには、気持ちがよくないといけない。

 例えばゲームであったら、以下のような話がある場合、僕はあまり遊びたくない。

  • 特定の宗教/人種/価値観へのヘイトがにじみ出ている
  • ゲーム内の世界観に沿ったものであれば多少はいいとは思うが、そうでないのはダメ、それありきで作っているものもダメ
  • ゲームデザイナーの品性がクソ
  • 人やコンテンツを不当にこき下ろしたり、論理的でなかったりなど
  • 制作会社が脱税などの違法行為をしている
  • 普通にダメ


 なぜかというと、遊んでいる際にそれらのことがチラついてしまうと気持ちよく遊べないからである。
 いいゲームだけど裏ではこうなんだよなあと感じるのは単純にノイズだし、別に必要ではないのでなければないほうがいい。

 そういった要素を平気で垂れ流しながら、モノを売るというのは、コンテンツを楽しんでもらう人に対して、責任を取り切れていない行為だと思う。

 

 まあまあおいしくても、めっちゃ態度悪いラーメン屋だったら行きたくないという話。態度の悪さに、うまいラーメンを作る秘訣があるのなら許す。


 今回の件でいえば、配信で楽しんでもらうために、権利などむつかしい&一ミリも得にならない話であっても丁寧に裏でやっておく。そのうえで配信上ではむつかしいことなど考えず、楽しい時間を過ごしてもらう。
 そこまでで1セットであり、コンテンツを提供するための最低限のルールだと思う。
 なのでそれらをサボっているのは、当たり前だがよくない。

 楽しいことだけやってめんどくさいのはやらないヨ というのは子供の遊びと同じ。

 ただし、それらをやるべきなのは企業もとい、企業の法務/管理である。配信者(所属者)に入るはずの純利益からピンハネして、企業に金を入れている以上、最終的にケツを持つのは上の役割だろう。
 もしその際、配信者が独断で企業ルールを無視していたというのであれば、それは企業から減給/解雇などの制裁処置を課すというだけの話かと思う。

 企業が社員の責任を持つというのは、どの企業でも同じなんじゃないだろうか?


 「ぽまえら個人個人で権利などの難しい話はやっといちくり」はさすがに企業としてヤバすぎるので、それはないかと思いたい。

※後述する内容からはそれるが、同業他社との競合で不当に有利になっているのもよくない。

 権利規約を丁寧に対処し、それができてから配信許可を所属者に出すというフローを他社がとっていた場合、まず間違いなく配信頻度は落ちるだろうし、利益に直結するかと思う(素人目線なので断言できないが)
 正直にやっているところが被害を受けるというのは、業界を破壊する要因になりえるのでフツーに良くない。


▽気持ちよくないというのは正当な理由なのか 

 本題。

 

 話が膨らむが、昨今の炎上案件など多くの話は極論、外野は黙ってろで済む話である。気持ちがよかろうと悪かろうとだまっとれやボケェでしかない。だって関係がないのだから。
  
 不倫で話題になっている某芸能人の案件など最たるものであり、自分が不倫をされていたならいざ知らず、叩いている輩はそうでないわけで、そんなものは感情レベルの文句でしかなく、正当性のかけらもない。
 つまり叩いている輩そのものはアホ。

 

 ただ、僕はその叩き自体はアホだとか、軽視すべきとは思わない。


 多くの炎上案件だったりゴシップ雑誌が生まれているというのは、つまり、そういった「感情レベルの話」に需要があり、大多数の人がとても大切にしているということの表れといえる。
 多くの人が大切にしているということは、それはもはや現代での倫理観であり、尊重すべきレベル/基準だと僕は思う。

 叩いてる輩は分別がないとか、叩く対象を求めているだけ、よくない時代だ とかいう話ではない。大衆の考え方をすぐに変えるなど無理!なのだから、それに沿った立ち回りをするしかないということを指している。

 不要な叩きをけん制しようというのは、それはそれで別にいいと思うし、やれるのであればやるべき。

 

 言ってしまえば、その立ち回りができない&それによって生まれる結果に我慢ができないのであれば、現代の生き方をすべきではない、推奨されないと思うのである。
 ※SNSの使用であったり、現代の大衆を相手にした商売をすべきではない ということ


 電子レンジでスマホを充電できるって聞いて試したら爆発したんだが。とキレているようなものである。 スマホ使うな
  
 特に芸能人などは、法人ではなく、大衆をを顧客にして商売をしている以上、そういった「感情レベルの批判」を無視するというのは通らない。誤解を生みそうなので、正確に言うと、スルーして通すことは可能だが、「叩くのやめてください!」とすべてを殲滅して回るのは無理がある。


 重ねて言っておくが、批判する輩が正しいという話ではない。新宿の飲み屋に行くのなら、多少ゴキブリやネズミが出ても文句言うなという話である。北極に行け。


▽なんで気持ちがよくないことに人はうるさいのか

 気持ちがよくないから
 
 まず、感情の話というのは、土台となる知識や労力を多く必要としないからだと個人的に思っている。
 
 要は言おうと思えばそれはすぐに言えるし、その発言が批判されたとしても、「私はそう思っているから」で押し通せるということ。
 知識ベースでの話し合いであれば、最終的には正しい結論があるため、どちらかの言い分は棄却されることが往々だが、感情ベースでの話し合いにはそれがない。
 これはかなり強く、内省をしない限り、無敵の人であり続けることができる。 


 加えて、炎上案件というのはすでに「おおよその勝ち筋」が見えている。よほどの頓珍漢でなければ「これをいっときゃ正しそう」という方向が自明。そういったときの人間はマジでつよつよになる。歴史が語っているのだ。。。

 

 次に重要なのが、「気持ちよくないことを見ないふりしていると、自分まで気持ち悪い奴に思えてくるから」ということ。

 例えばいじめなど。

 いじめを見た場合、直接止めることはできなくても、裏で「あれはひどいよね~」など多くの人は吐き出すものではないだろうか?

 それはつまり、何かしらの方法で自分を正当化しておきたいからだと思う。

 いじめに対して完全スルーでいるのは気持ち悪いから何とか軽減したい>裏できれいなことを言って、それによっていじめをやめさせる気風が作れたら良いな~ ぐらいのノリ。

 

 ネットでも同じことかと思う。

 「なんか気持ちよくないことしてるやつおるな~」と思ったら、「私はそれ良くないと思うな~」と表明しておく。それによって自分は綺麗でいられる。気持ちいい。

 

 今回の件でいえば、気持ちよくないことを見ないふりして配信を楽しみ続けるのは、自分まで気持ち悪い奴になってしまいそうだから、いやだ。何とかして吐き出しておきたい、じゃあとりあえず燃やしておこう(非直接的に)。という話なのだと思う。

 
▽終わり

 記述のまとめ。

 

 大人であり、企業であるのであればやることはちゃんとやったほうがいいなと思う。企業を叩いている人は好きにしたらいいと思う。企業の所属者を叩くのは論理的ではないと思う。燃やすのやめろ!!と軍隊になるのは、多分意味ないからやめたほうがいいと思う。

 

 vtuberの皆さん配信頑張ってください。たくさんゲーム配信してください。

 

 

天気の子(ネタバレ含む)

新海監督の天気の子を見てきた。

 

結論を言うとあんまり好きじゃない作品でした。

 

決して自己満作品ではなく、面白いものを作ろうとしたんだろうなとは伝わってきたので、不快にはなりませんでしたが、いろいろ考える部分は多かったです。

 

なので思考をまとめるため感想を書きたい(決意)

※モロネタバレをするのでご注意ください※

 

 

映画見てきた人向け前提で話を進めていきますが、
この映画のテーマは安く言うと「少年少女の逃避行」だと私は感じました。

ほかにもサブテーマはたくさんあるかと思いますが。

もう少し具体性を持たせると、主人公が好きな人(というか結局は自分のために)、他者を顧みず突っ走り続けるというモノ。(物語の前半は、地元からの逃避行ですが、主軸は好きな人との社会からの逃避行)

このテーマは結構めんどくさくて、そもそも「気持ち悪い・うすら寒い・はた迷惑」と感じる人はいると思います。ただまあ、それは好みの問題であり、作品の構成の話ではないため、とりあえずスルー。 

 

で、「少年少女の逃避行」ですが、これは好みはあれど、そのものはべつにおかしいテーマ/ストーリー/行動ではないと思います。

物語の基本は、「XXをしたい。だからYYをする」という構成になっているはずですし、それが高校生の少年であれば、XXに「地元から逃げ出したい。好きな人と幸せになりたい。」が入り、YYに「ほかの人に迷惑かけても構わねえ!」が入っても、まあそんなものだろう となる為です。

 

ただ、天気の子では下記の要素①②をあまり感じられなかったため、結果として、作品が少し浮いたように見えてしまいました。

 

①キャラクターの行動原理

 (今回で言えば、他者に迷惑をかけられるだけの理由が必要)  

②罪に対する罰

 (罪を踏まえたうえでゴーイングマイウェイした結果体験することになる苦味。

 実際的な罰だったり、自分の中で取り返しのつかないことになるなど。

 

順番に書きます。

①キャラクターの行動原理

基本的に鑑賞者は、主人公に感情移入するものだと思います。

その際、「自分だったらこうするだろう、これが正義だとおもって行動するだろう」というルールから大きくそれてしまうと、感情移入はうまくいかず、あまり良い体験にはならないはずです。

主人公が不気味に思えたり、作品自体が安く見えてしまったり。

(自分から遠いところにあるものは、何でも安っぽく思えるのではないでしょうか。)

なので、キャラクターの行動原理、特に主人公の行動原理は極めて重要だと考えています。

 

※ゲームでは遊び手が自分の意志でキャラクターを動かせる余地がある為、

行動原理をコントロールしやすいですが、映画や漫画などは受け手が介入できないため、ほっておくと主人公がサイコパスになりやすいので難しそうだと常々思っています。

 

雑に言えば、軟派なキャラが

「早く彼女の家でラブラブしたいから車をかっ飛ばす」のは許せても、

普段まじめなキャラがそれをするのは気持ち悪いと思うのです。(行動原理がおかしいから)

 

「君の名は」はその辺がうまかったので、同じ恋愛モノをやっていても

「こいつら何やってんだ」とはならなかったのだと思います。

 

天気の子に話を戻しますが、今作の主人公の行動理由は主に以下の2つであるようでした。

A.地元が嫌で東京で暮らしたかった(逃げてきたかった)

B.好きな子と幸せに暮らしたかった/また会いたいと思った

前述しましたように、主にAは物語の前半の要素で、ストーリーの進行とともにBに移っていったように思えます。

 

結論から述べますと、引っかかったのはAの行動原理です。

 

A.地元が嫌で東京で暮らしたかった(逃げてきたかった)

これ自体は、起承転結の「起」に非常に適したものだと思っています。

新天地でどうのこうのする というのは親だったり、地元の友達だったり、過去のことだったり 本筋に関係ないことを演出しなくていい=描かなくても許される からです。

(ラノベなどで、主人公の親が死んでたり、単身赴任だったりするのと同じ)

 

実際、単品の映画の中でメインテーマから逸脱した内容に演出を割くのは無意味です。

(長期連載のストーリーであれば、サブの要素は演出になっていくかと思いますが)

 

ただ、これを行動原理とするところまでは問題ないのですが、実際に用いるにはいくつか演出が必要だと思っています。

なぜなら、おそらく普通の高校生はなんとなくAをしたいなあと思ったりしても、実際に行動を起こすことはできないからです。

仮に自ら行動することができたのであれば、その人は非凡ですし、相当強い意志を持っているはず。(であればその「強い意志」の演出をする必要がでてくる)

 

なので、Aの行動原理と行動を使うのであれば、それなりの流れが必要になるはずです。

いくつか考えてみます。

 

・知らない人との出会いによって、主人公が感化される/強引に連れ出される

要は、キッカケを他者にゆだねて話を進めてしまうタイプ。

人間は流されるのは容易なので、このタイプであれば、多くの人間は①を実行することができるはずです。

もちろん決意する際に主人公の意思は必要となりますが。

この場合、受け手は 等身大の主人公と自分を重ねて作品を楽しむことになります。よくある少年漫画の成長モノ。

ただ、これは「だれかとの出会い~それによる主人公の変化」の過程の演出をする必要がある為、少し手間であります。(尺がもったいない)

  

・主人公は並々ならぬ精神力を持っていて、常に自分の心の動きに従う

ジェイソンステイサムがやりそう

この手の主人公を使うと、話がとてもスムーズに進みます(全部ぶっ壊すぜ!)

この場合、受け手は、等身大の主人公と自分を重ねて作品を楽しむのではなく、

「うわー俺もああなりてえなあ!」とか

「ああいう生き方しびれるなあ!」というカタルシスの開放をもって、作品を楽しむことになるかと思います。 

 

ただ、天気の子の主人公ですが、とてもステイサムになれるようには見えません。

どちらかといえば、等身大の高校生に近い感情の描かれ方をしていたと思います。

出会った可愛い女の子を好きになったり、銃を発砲して激アセしたり、大人の女性にエロスを感じたり、ちょっと悪そうなオッチャンの家で雑用をやらされつつ居候、でもその状況に幸せを感じていたりなどなど。

 

もちろん、発砲したり、ちょっと悪そうなオッチャンの家で居候する高校生なんてめったにいないと思いますが、そういうことではなく、その状況で「悪くないかも」と感じるのが等身大の高校生の感情ということです。

 

受け手は、この時描かれている像に従って、主人公の行動原理ベースをつくっていくのだと思います。

なので、今回の場合、そういうありがちっぽい高校生として描かれているキャラであれば、「ガチで切羽詰まった原因」がない限り、島から出てまで家出するという行動をとるのは「おかしい」と受け手は感じてしまうはず、です。

 

逆に言えば、

「漠然とした理由」で離島から家出する などをキャラに許してしまうと

後々のキャラクター性の演出で困ると思うのです。(一発で等身大の高校生像から遠ざかるから)

これがジェイソンステイサムでオッチャンを即ぶっ飛ばし、全部の女を抱いていたなら、「つまんねえから家出してきた」となっても、理解できる。

 

この時取れる択は主に二つだと思います。

①主人公をステイサムに寄せる

②主人公が家出するに値する理由を用意する(しかものちのキャラ演出とぶれない)

 

まず①ですが、多分これは無理です。

天気の子 では逃避行の末に少年が少し成長する/また、それは等身大の人物像にしたい(そのほうが広く共感を呼ぶから) という流れはやりたかったと思うので、そういった面からみてステイサムタイプとは相性が良くないですね。

後者においては、基本的に主人公は成長するものではないからです。

(したとしても、それは実際の成長ではなく、むしろ現状の甘えを脱ぎ捨てて、過去のさらにキレてた自分を取り戻す というタイプなのではないでしょうか)

 

で、②ですが、これはそこまで難しくないんじゃないかと私は思っています。

「東京での暮らしは現状より明らかにメリットがある(家出することによるデメリットが、現状のデメリットを明らかに下回る)」演出をしてあげればいいと思うのです。

(凡人がでかい行動をとるためには、「明らかな打算」が必要。打算をせずに行動するとステイサムになってしまう)

 

例えばすごい雑ですが、

「両親が離婚調停中の裁判をしており、家庭は荒んでいる。それがとてもとても嫌で東京まで逃げてきた。」

とかであれば、

・愛情や温かな居心地に飢えている

・優しい性格をしていて、不和の環境にいることが苦しい

・自分は好きな女の子を頑張って守りたい

などのキャラクター性を演出でき、オッチャンのところで居候の話や、

物語後半の少女との逃避行などにおける行動原理と行動のバランスをとることができるんじゃないでしょうか。

問題は尺ですが、こういった話を演出するのはそんなに難しくないはずです。

(多分、5分も尺要らない。おそらくセリフすらない回想だけでも、「ああそういう事情があったから東京まで逃げてきたんだな」と受け手は分かるかと思われます。)

  

何にせよ、「家にいたくない/いられない理由」と劇中で描かれている主人公像が合致していないといけないはずです。

天気の子であれば、どちらかというと「地元にいるデメリット」により、仕方なく東京へ出てきたという理由のほうがあっていると思います。

(東京で暮らしたいから東京へ来た だと、メリットによる行動になるので、

どうしてもオラオラのベンチャー系に思えてしまう) 

 

 以上、主人公の行動原理でもにょった話でした。

 

B.好きな子と幸せに暮らしたかった/また会いたいと思った 

は、男の子ならみんなそうだとおもうので良いです。

そんなこと思わねえ!と思うのは、相手の女の子がブスだからだと。

 

 

②罪に対する罰 

主人公は受け手が許せる存在でないとダメ という話です。

あまり論理的ではなく、感情論ですが、

「あれもこれも手に入るお話」はあまり面白くないと思っています。

ある程度の取捨選択が起きるからこそ、のこった平穏に魅力が生まれるわけですし、受け手としても「なんか俺一歩大人になれた気がする」となるわけです。

ジュブナイルものでよくある、「若さゆえの、取り返しのつかない痛み」による

独特の感傷みたいなやつですね。(化物語神原駿河のエピソードもそんな感じだった気がします)

 

それがないと、主人公(=共感する自分)がずるい存在のように見えて、

感情移入の流れを阻害してしまいます。

 

 

天気の子では、ヒロインを助けるため、主人公はかなり暴走しているように思えました。

発砲するわ、二輪チェイスするわ、警官ぶん殴るわ、なかなかのツワモノです。

 

こういった非日常のムーブ(違法行為)は加速感を生むので、良いと思いますが、

それをしたのであればそれなりの結果(罰)は受けてほしいと 個人的に感じました。

もしくは先に虐げられた環境から始まるとかですね。

 

コードギアスでは、虐げられた環境から始まって、最後は罰を受けているので、

劇中で悪いことをたくさんしても「ルルーシュがんばぇー」となるのだと思っています。(劇場版はよくない)

 

 

ただ、天気の子では恵まれた環境から「あれやりたいこれやりたい」を押し通して、

「あれもできたこれもできた」になっているので、何とも言えない後味の悪さがあります。(ヒロインは助けられたし、大学を機に東京に住めている)

 

 

まあ、おそらく、東京沈没(nier:automata)が作り手の用意した罰なんだろうなとは感じましたが、ぶっちゃけこれは世界規模での罰になってしまっているので、

あまり主人公が罰を受けたように思えないです。

(保護観察うんぬんに関しては描写すらされていないので、罰にとらえることは難しい)

 

この結果を罰として演出するのであれば、

私は東京が沈没した絵を見せた状態で、映画を〆にするべきだったと思いました。

 

主人公がその後の世界で、どういった心境で生きていくのかということをあえて伏せて提示するほうが、まだよかった気がします。

(警察に捕まったのかな、沈没した世界で後悔しているのかな などなど考える余地は生まれると思います)

 

実際は、現在の東京の状況へのフォロー(沈没している東京も悪くない などのエピソード)が入っていたりなどしている上に、

「やっぱ女の子助けにいって正解だったんゴ。これから幸せに生きるんゴ」となっているため、主人公が一人勝ちしたように思えて気持ち良くありませんでした。

 

オメーのせいで東京沈没してんじゃねーか!となりつつ、でも本当に大切なもの(ヒロイン)は守れました とかでも、まあ許せたかなあと。

(とはいえ、責められたりする描写はあんまり気持ちよくはないと思うので このパターンはやめたほうがいいと思いますが)

 

あと蛇足ですが、もう一つもにょったのは、ヒロインを消したのは警官でも誰でもないことです。

むしろお天気パワー使いまくった主人公のせい

これが例えば、ヒロインが警官に連れていかれたので助けに行く!とかなら、

警官を殴ったりしても「まあ、ね」とはなります。

お話を見る限り、警察はマジで何も悪いことしてないので、さすがにそれはどうなんだ。。となってしまいました(髪の毛むしられた警官かわいそう)

 

 

以上、天気の子を見た感想でした。

※I MAXで見ましたが、音や作画などはとてもよく、2400円払う価値はあると思いました。

 

PS.小栗旬さんめちゃ演技上手いですね。

 

 

 

ローワンと魔法の地図

本を読んだので感想を書く。

 

【ローワンと魔法の地図】

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%81%A8%E9%AD%94%E6%B3%95%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%9B%B3-%EF%BC%88%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%B0%B7%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%B3-1%EF%BC%89-%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%80/dp/475152111X

-----------内容---------

ひ弱な少年のローワンが 村を救うため、冒険に出る。

冒険を通して少年は成長していく。 というお話。

-----------補足と感想---------

※少しネタバレを含むかもしれません

  • シリーズものの児童小説。小学校3,4年生ぐらいから問題なく読めると思う。
  •  作者はデルトラクエスト というシリーズを書いていた方
    (アニメ化もされている為、知っている人は多いかもしれない) 
  • 普通に面白かった
    ー 翻訳に癖がなく、読みやすい
    ー 一番の盛り上がりの部分を書いた後、ダラダラさせずにスパっと終わっているのがいい。
      (デルトラクエストでもそうでしたが、この人の読み物は無駄なヨイショがないため、くどくなくていいです)

  • 以下の点は気になった。
    ー 少し昔話っぽさのあるルーチン感は単調に感じた。
      (Aの試練/Bの試練/Cの試練 みたいなの。構成もほぼ同じ。)
    ー 主人公があまり苦労していないのに 結果を得ているため、
      読んでいて気持ち良くなれない/応援できない。
      ー この手の成長モノは「主人公はほかのキャラクターより、一枚多く頑張りを積んでいる>最後にそれが実を結ぶ」という流れがあるから、気持ちよく読めると思うのですが、
        本作にはそれがあまりないのは残念。牡丹餅感が強い。